近年、救急医療の現場では、ER型救急医療が注目されています。
ER型救急医療とは、北米型救急システムのことを指しています。
そのER救急医療では、まず救急車で運ばれてきたすべての救急患者に対して、ER専門医が初期診療を行います。
その後、入院患者や手術患者が出た場合は、その専門家に引き継ぎをすることになります。

一方で、夜間に徒歩や車で直接病院に訪れるウォークイン患者に対しては、トリアージナースがトリアージを行います。
もし、緊急度が高かった場合には、早急にER専門医の診療を受けることになります。

日本では、一次救急~三次救急の救急医療体制があり、医療の効率的な遂行が見込まれた一方で、患者と救急隊員が病院に来る前での重症度の判断が難しいというデメリットがあります。

医師にとっても、患者の重症の度合いを判断するのはなかなか難しいことだと言われています。
そんな問題を解決してくれるのが、このER型救急医療です。
信頼できるER専門医がすべての患者を診療するようにすれば、判断の確実性が高く、より効率的な医療を提供することができます。

厚生労働省では、このER型救急医療を全国に浸透させようという動きがありましたが、時と共に議論は消失し、先送りされる形になっているようです。
実際、賛成の声もあれば反対の声もあるのが事実で、スムーズに導入が進んでいないという現状があります。

ER型救急医療は、次世代の救急医療システムとも言えます。
救急医療の現場で働いている方は、ぜひER型救急医療の救急対応について詳細を知っておいた方がいいでしょう。